【終活】老後2000万円問題から考える、必要な老後資金に対する若い世代の心構えとは?

金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(令和元年6月3日)に記載された「老後資金の必要額は2,000万円」という趣旨の報告は、大変なニュースになりました。果たして高齢になっても生活していけるのか、とても不安になりました。

本記事では、報告書を参照しながら、終活として「自分の残りの人生の不安を解消し、将来をよりよく生きる」ために、今後の資金のことについて考えていきたいと思います。

目次

老後2000万円問題とは?

「リタイア後、20 年で約1,300 万円、30 年で約2,000 万円の取崩しが必要になる」ことをいいます。収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生することが継続した場合が想定されています。

老後2000万円問題とは?

2020年7月31日に厚生労働省が発表した2019年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳。定年退職をした後もまだ数十年生きるということが数字から表れています。

さらに、この2000万円という数字の支出には、老人ホームなどの介護費用や住宅リフォーム費用などの特別な支出、いわゆる介護にかかる費用は含んでいません。実際に介護施設を探そうとしたり、親が介護状態になった方はわかるかと思いますが、介護にはとても費用がかかります。

これについては大きな問題なので、また別に検討したいと思います。

老後2000万円問題の前提条件

この報告書に関する前提条件は、ざっくり以下のとおりです。

夫婦2人で年金収入を大半の収入根拠として生活している場合、およそ月5万円くらい不足する、ということです。

  • 夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯
  • 実収入209,198円、実支出263,718円(うち消費支出225,477円)
  • 実収入のうち191,880円が社会保障給付(年金等)

(出典)第21回市場ワーキング・グループ厚生労働省資料

実際、どういうことが原因なのか

老後2000万円問題の発端となった上記報告書の概要を見ていきたいと思います。かなり現実は危うい状況であることが分かります。

ここでは、詳細は省いて、図で概要を確認していきたいと思います。

長寿化が進んでいる

60歳の人のうち95歳まで生きる人が4人に1人…なんて、今の平均寿命を想定して生きることはできませんね。寿命が延びて、生きるためのお金がより必要になった…ということですね。

長寿化:25%の人は95歳まで生きる見込み

余命と健康寿命に乖離がある

ずっと健康でいられれば、一人でも生きていけますよね。実際にはそうも言っていられないようです。

健康寿命とは、日常生活を制限されることなく健康的に生活を送ることのできる期間のこと。

日常生活になんらかの制限が発生してから亡くなるまで、だいぶ期間があることが分かります。

健康寿命~余命まで10年程度ある

子供がいるから同居…は、もはや難しくなってきている

可処分所得がだんだん低くなってきているなか、女性も普通に働く時代になりました。

普通に働く…というよりは、生活するためには働かざるをえない時代となったということでしょう。自分自身が相当な資産を持っていて、子供に働く必要がない状況でない限り、同居して面倒をみてもらうことはもはやできないでしょう。

子供たちも働いて「自分たちの老後資金」を自ら稼がなくてはならないのですから。

単身世帯が増加し、同居して面倒を見てもらうことは現実的ではない

誰しもほぼ認知症になる

自分はならない…ということはありません。妻の方が長生きだから大丈夫だろう…ということもありません。むしろ女性の方が認知症となる確率は高いようです。10人いたら8人が認知症なんて…おそろしい未来ですね。

95歳以上の女性は8割、男性は5割が認知症である

収入は減る一方①

年齢階級別収入、年金受給前は基本的には給与や事業収入ということになるでしょう。バブル​景気は一般的に1991(平成3)年2月に終わったとされていますから、それ以降は失われた20年が表れていることがわかります。

年齢別収入はバブル崩壊以降減少傾向

収入(可処分所得)は減る一方②

収入が減っているんだから保険料や税金だって減るでしょう、と思いきや、そんなことはありません。

少子高齢化の影響で年々公的健康・年金保険料率は上がる一方ですし、消費税もかつての0→3→5→8→10%、と税金も上がっています。給与は減っているのに控除されるものは増えている…毎月の自由にできるお金が減っていることが分かります。

健保・介護・年金保険料率はあがる一方

退職金も減少傾向

もともと、退職金は新卒採用終身雇用を裏ささえしていたものです。賃金の後払い的性格、と言われ猛烈に働いて定年時に報われる、といった報償的な性格のものです。

まだまだ大企業ではそういった企業文化のあるところも多く残っています。現在は過渡期であるともいえるでしょう。

退職金制度・退職金額も減少傾向

今後はさらに老後資金の必要額は上がる可能性が高い

別記事の「背景」でも取り上げましたが、2060年には日本の人口は8600万人程度まで減り、そのうちの40%は65歳以上の超高齢化社会となります。2.5人に1人が65歳以上になるのです。

令和元年度の健康保険・介護保険・年金財政において、必要資産が2,000万円+介護費用であり、今後ますます財源はひっ迫する状況が見込まれることから、若い世代が老後を迎える頃には今の「2,000万円どころではなかったね」という可能性はかなり高いのではないかと思われます。

令和世代の考え方

平成・令和世代にとっては「資産形成をする」という考え方は、私のような昭和世代よりもより一般的であるように思えます。

ここでは、代表的な書籍を紹介します。

21世紀の資本 2014/12/6-トマ・ピケティ (著) 

資本収益率(r)は経済成長率(g)を上回るから、労働だけではなく、不動産、株、ヘッジファンドあたりの資本で稼ぐのが合理的であり、結果富の集中が生じ格差が拡大する…というような資本優位論が大きな注目を浴びた本でした。

FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド – 2020/3/19 クリスティー・シェン (著)

FIRE 最速で経済的自立を実現する方法 2019/12/20-グラント・サバティエ (著)

ふたつとも「FIRE」に関する本です。

FIREとは、経済的自立を実現し、サラリーマンなどの「お金のために働く労働」から解放される早期リタイアを行い、人生を満喫していく生き方を目指すことです。

FIRE ムーブメント(英: Financial Independence, Retire Early movement)は、経済的独立と早期退職を目標とするライフスタイルを啓蒙するムーブメントのこと。

出典:wikipedia

達成するためには、以下の2つの条件を満たすことだと言われていますが、こちらは、他のFIRE専門ブログの皆さんの行動が参考になるのではないかと思います。

  • 貯蓄率を高め、生活費25年分を貯蓄する。
  • 投資のインフレ調整後の利回りを4%以上にする。

老後2000万円問題の結論

若年層終活においては、現在を「現役期」とします。若いうちからできる対策としては以下のとおりです。これらを促進するために、NISAやiDecoなど、税制優遇策を設けることによって、国として投資促進をしようとしているのです。

若いうちからできる対策は以下のとおりです。

1.早い時期から、長期、積立、分散投資を習慣づける

時間はなによりも有効な投資策。人によって取りうる策が違うので、自分の特性に応じて収入を増やしたり、支出を削減したり得意な方法やリスク許容度に応じて、習慣づけましょう。

そこまで若くない3-40代であっても、死ぬまでにはまだ6-70年あります。

2.小額からであっても安定的に資産形成を行う。

資産形成の余裕なんてない…。基本的には私もそうです。無理して行う必要はありません。まずは、生活防衛資金を貯めましょう。それらを確保した後は、小額でも自分のリスク許容度の派内で着実に資産形成をしていくことが必要です。

3.今だけでなく将来も働く可能性があることを想定する。

昭和世代よりも平成・令和世代が優位なこと、それは投資に限った話ではありません。
家業を継ぐ・新卒採用総合職転勤あり退職金あり終身雇用…そういったかつての「普通」の働き方だけでない、個人の多様性を認める姿勢が若い世代では昔よりずっと「当たり前」になってきていると感じます。

先に挙げたFIREは、「自分」以降の世代生存に関するお金のことだけが視界に入っているように思えますが、他人のことに巻き込まれてしまって思うようにいかないのもまた人生の良くある側面です。
労働だけが稼得の手法ではありませんが、「普通」の形でなかったとしても、時と場合に応じて働く必要が出てくる可能性があることを想定しておくと心の準備ができてよいかもしれません。

まとめ

老後2000万円問題を記した報告書を読むと、結局のところ、「もう国の公的年金では賄いきれないから、自己責任で老後資金は用意してね」というメッセージと読めました。

早いうちからゆっくり終活、ゆっくり資産形成した方がよい、ということですね。良い…というよりは、やらないと貧困老人となる未来が待っている可能性が高いというところでしょうか。

なんとなく行っていた資産形成について、より、きちんと見直すきっかけになったのではないでしょうか。普通預金にしかない、という方は、これから真面目に資産形成について考えてみた方がよいかもしれません。

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