【終活】孤独死した場合にかかる費用とはどんなものがあるか?孤独死について考えてみた

終活とは「自らの死を意識して、人生の最期を迎えるための様々な準備をする」ことですが、自分で確実に終活を行い準備をしていた場合でも、うっかり自宅で突然誰にも見つからずに亡くなる…というようなことは容易に想定されうることです。

Danngo

子なしの私にとっては予定未来

かつては三世代(じいちゃんばあちゃん・パパママ・子供たち)が持ち家に住むことが「普通」という青写真がありました。
しかし、少子高齢化・日本経済の低迷で、自らの老後費用を自らが準備せざるをえない、というそうも言っていられない状況になってきました。

国にお金がない、親にお金がない、自分もお金がない、というなかなか大変な時代になっています。

さらには、現在一人暮らしをしている方は、どのような年齢でも孤独死のリスクはあります
高齢の親を遠方に残して働いている独身の子が孤独死してしまった…などということも当然あり得ます。

就労している限りにおいては、必ず勤め先の目がはいることと思いますが、テレワークで場合によっては2~3日発見がおくれてしまう…なんていうこともあるかもしれません。

もし、自宅で一人で亡くなったその後誰にも見つからずある日発見された…なんていうことになった場合、かかる費用とは何が、どれくらい発生するのでしょうか?

迷惑をなるべくかけないようにとは思っていても、結果として自分が想定していないことになってしまった…というリスクを回避するべく、どういうものがあるのかを見ていきたいと思います。

目次

まずは孤独死の現状をみてみよう

単独世帯が増えている件は、他の記事でも見てきました。

単独世帯が増え続けるということは、今後孤独死の発生する件数もどんどん上がっていくかもしれない、ということになります。

孤独死の件数はやや増加傾向。要因は6割強が病気

孤独死に関する都区部の情報では、孤独死件数は増加傾向、内6割強の死因は病死になります。

孤独死の死因 出典:不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会資料

孤独死の発見までの日数は4日以上が半分強

単身世帯において亡くなった場合、3日以内に見つかる確率が4割強。
ということは、単独世帯において見つかるまで3日以上かかる確率が半分以上ということです。
結構な確率にびっくりしますよね!

遺体は死後1時間内外で腸内細菌の増殖が認められ腐敗が始まり、時間がたてばたつほど自己溶解と蠅の発生数が増えていくそうですから、想像を絶する見た目になるのは想像に難くありません。

通夜葬式を急ぐのは、腐敗による死者の尊厳が失われる恐怖心からですが、見つかるのが遅くなればなるほど難しくなるわけで、万が一が起こったときにもなるべく早く見つかること、見つけてあげられることが大事になりますね。

孤独死の発見までの日数 出典:不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会資料

孤独死した場合にかかる費用の種類

一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会 第5回孤独死現状レポート(出典)に記載の「損害額と支払保険金」を以下に記します。「死因」については加味されていないため、この点はご留意ください。

なお、本レポートは全体的にとても興味深い内容となっていますので、ぜひご一読をお勧めします。

前提条件

  • 対象:自宅内で死亡した事実が死後判明に至った1人暮らしの人のうち、少額短期保険会社の家財保険(孤独死特約付き)に加入している被保険者
  • 収集データ:孤独死対策委員をはじめ、上記社団法人の協力会社から提供された孤独死のデータ
  • 収集の対象期間:2015 年4 月~2020年3月までの孤独死のデータ

残存物処理費用(遺品整理・撤去費)

残存物処理費用とは、損害を受けた保険対象物の取りこわし費用、取片づけ清掃費用および搬出費用のことをいいます。

残存物処理費用 損害額

平均損害額:¥220,661(最小損害額:¥1,080~最大損害額:¥1,781,595)

残存物処理費用 支払保険金額

平均支払保険金:¥223,818(最小支払保険金:¥1,080~最大支払保険金:¥500,000)

原状回復費用(特殊清掃費)

原状回復費用とは、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失・善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」にかかる費用のことです。

個々の事案により判断が異なりますから、個別的な事情は弁護士の先生にご相談ください。

原状回復費用 損害額

平均損害額:¥381,122(最小損害額:¥5,400~最大損害額:¥4,158,000)

原状回復費用 支払保険金額

平均支払保険金:¥299,376(最小支払保険金:¥5,400~最大支払保険金:¥3,000,000)

最近良く耳にする「特殊清掃」とは、遺体の腐敗や腐乱によりダメージを受けた室内の原状回復や原状復旧業務の清掃のことをいいます。当然ながら、特殊清掃料金は、間取り・除菌等の作業内容によって金額の多寡が異なります

様々な清掃会社さんがありますが、間取り別の相場目安などを参考までにホームページに記載されている法人もありますので、もし、ご覧いただいた方がご遺族でいらっしゃるのであれば、きちんと情報開示をされていて自分で納得して依頼できる先に依頼された方が良いと思います。

家賃保証費用(家賃の損失)

逸失利益とは、損害賠償において請求することのできる損失の一つで、「その事柄がなければ本来得られるべきであるにもかかわらず得られなかった利益」のことを言います。

例えば、殺人事件があった物件などは、人が嫌悪感や恐怖感を覚える重大な事柄とされていますので「心理的瑕疵」と言って次の入居者への告知義務が課されています。そうすると、なかなか入居してもらえない、といった現象が起こりやすいわけです。
死因が自殺の場合は、死亡の要因が故人の故意であるため、この逸失利益が認められやすいようです(例:東京地判 平27・9・28 ウエストロー・ジャパン事件)。

逸失利益の請求が認められ、
一定期間(~1年)は「賃貸不能期間」として賃料の全額、
賃貸不能期間後の一定期間(2~4年)は「賃料減額期間」として賃料差額(賃料のおよそ1/2)分が認められた事例があります。
これが損害額にあたります。
仮にワンルームで月6万円の家賃だとした場合、6万円×12か月+3万円×12か月×2年=144万円くらいでしょうか。

一方、病死、老衰等による自然死のうち、遺体発見までに長期間経過した事例では、自然死であっても貸主と借主(相続人や連帯保証人)とで争いとなるケースが多々あるようです。裁判例では、死亡事故等が心理的瑕疵に該当するか否かは、複数の要素を総合して判断されている状況です。

先の原状回復義務と同様、事案により判断が異なりますので、個別的な事情は弁護士の先生にご相談ください。

家賃保証費用 

平均支払保険金:¥307,876

こちらは、平均支払保険金のデータしかありません。

仮費用

残存物費用だけとした場合は、平均23万円+α、逸失利益まで請求が認められた場合は家賃6万円として~200万円くらい(家賃による)でしょうか。故人の亡くなった場所や部屋の間取り・立地にもよるので一概には言えませんが、かなりの金額がかかりそうです。

入居者側としては、賃貸住宅入居者向けのリスク型少額短期家財保険などに加入しておくのも手かもしれません。

不動産そのものに係る費用が上記、ということで、相続の関係で賃貸契約期間(合意解約)を伸ばしたり、葬儀費用は別であったりしますので、さらにアドオンされることになります。

孤独死が起こったときの流れ

STEP
第一発見者による発見

先に挙げたレポートによると、第一発見者は不動産管理会社やオーナーなどが27%、親族が21%と、親族よりもそうでない方に発見されることが多いようです。

発見原因としては、音信普通・訪問が約50%、異臭・居室の異常(虫の発生、水漏れ、電気のつけっぱなし)が約25%、家賃滞納・郵便物滞留で約25%です。孤独死というだけに、設備やお金、郵便周りの異変によって気づかれることが半数ということですね。

STEP
警察による現場検証後、親族等に連絡・身元確認

孤独死の場合には、死の現場に医師が立ち会っていないため、だいたいは警察が「事件性の有無」を調査します(かかりつけの医師により、死亡の原因が持病によるものだと診断されれば、ありません)。

その後、無事事件性がないとなった場合には死亡診断書(死体検案書)が発行され、警察から、遺体を引き取るか引き取りを拒否するのか親族に確認が入ります。

このころには、警察の方からマンションの管理担当者の連絡先も併せて教えてもらえるはずです。

STEP
引き取る場合には警察より諸説明、葬儀を手配

引き取られない場合は、自治体により無縁納骨堂に安置されます。

もし引き取りたくてもあまりお金がない…などという場合は、(全くの無料というわけにはいきませんが)火葬だけして遺骨を寺院に郵送することで、寺院が永代供養していただける「送骨納骨」のサービスを利用するのも手かと思います。

STEP
各種手続き、退去後の処理など

各種契約(携帯・クレジットカード・NHK・水光熱関係)解除の手続きや、公的な届出、遺品整理・退去・賃貸契約の合意解約などが必要になります。

注意をしたいのは、相続放棄や限定承認を予定している場合です。遺品整理をしてしまうと、被相続人の財産を処分したものとして、法定単純承認に該当し、相続放棄や限定承認ができなくなってしまう可能性があるからです。単純承認となると、財産も負債も全て相続するすることになります。この点は、弁護士の先生や行政書士の先生が詳しいので、関連サイトをご確認されることをお勧めします。

見守りサービス

本質的な解決にはなりませんが、少なくとも何か普通ではない状況が起こったときに長らく放置されないすべはあります。もし亡くなったとしても3日以内には気づけるようにしたいものです。

エンリッチ「見守りサービス」

LINEを使ったサービスです。良い点は以下の3点です。

※NPO法人による運営のため、銀行振込・クレジットカードで寄付ができます。

セコム・ホームセキュリティ

高齢者を対象にしたサービスです。良い点は以下の3点です。

  • 生活動線にセンサーを設置し、一定時間動きがないとセコムに通報される「安否みまもりサービス」がある
  • 状況に応じて別料金で緊急対処員を派遣してくれたり、確認のうえ消防へ通報してくれたりする
  • 家族用の見守りアプリがある

孤独と保証人問題

生きるのにかかる費用は「本人」が負担するのが原則です。

しかし、とかく、生きるには何かと「保証人」が求められます。「連帯保証人」は、相続人と異なり契約者と同等の責任を負わなくてはならないものです。そんな重い責任を負ってくれる人を探すのは難しいです。人間関係が薄いからこそ孤独死になるのです。誰にも保証人を依頼できない…いったい誰に保証人を頼めばよいのでしょうか。

保証人を立てなければ家に住むこともできないし、病院に入院することもできないというのでは困ってしまいます。

不動産を賃貸するときの保証人

病院に入院するときの保証人

不動産よりもサービスがあまりないように見受けられました。入院などは家族が保証することが前提になっていて、いずれは保証人がいない、保証費が払えないから入院させてもらえない…などということになるのではないかと思うと、戦々恐々とした気持ちになりますね。

こういう状況を目撃したときは事前に注意

孤独死=汚い忌むべきもの、と思われているように思います。

自己防衛するのも大事ですが、自分の親(実家)やそれ以外の人でももし身の回りで危ないなと思われる状況を目にしたときは、事前に少し気にかけておいた方が早めの発見・供養につながるかと思います。住環境が健康に影響していたり、逆に健康から住環境に影響していることがあるからです。

  • 隣や前に住んでいる人に挨拶すらしない
  • リモコン・服・飲み物など本来分かれて置かれるべきものが、寝床の手の届く範囲にすべてある
  • 可燃・不燃・資源ごみなどの、ごみの分別がされていない
  • 水回りが汚い

また、周りの人だけではなく、上記に自分が1個でも当てはまるような場合は、「セルフネグレクト気味かもしれない」と認識し、周りの手を借りながらできるように軌道修正していきましょう。

親族や友達がいない、という場合には、業者さんにお願いするのも方法の一つですし、挨拶なら無料でもできます。少しでも自分や他人をいたわっていきたいものです。

所感

Danngo

調べれば調べるほど「金・金・金…」

思ったより、孤独死にはお金がかかるようです。

孤独死特約のついた入居者保険に加入しておいたり、なるべくならだれかの目の届くところで亡くなるか、亡くなったとしてもすぐに発見してもらえるサービスに加入したり、近隣と人間関係を築いておく必要がありそうです。

参考にしたサイト

一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会 第5回孤独死現状レポート

賃貸住宅における孤独死に係る法的問題に関する一考察― 賠償責任、告知義務 太田 秀也特任教授…とても参考になりました

ブルークリーン株式会社 特殊清掃チャンネル(Youtube)

オールクリーン株式会社 オールクリーンのお掃除なんでもサポート

第八行政書士事務所 事故物件現場に関する考え方及び過去の判例

合同会社エコリア 孤独死の原状回復~費用・内容・生活保護、大家の請求・告知義務はどこまで?~

碑文谷創 事務所 死後、人間の身体はどう変容するのか?―死体現象 

行政書士法人よしだ法務事務所 相続放棄をする場合に遺品整理をしてもいいの?


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